福井駅周辺まち歩き。桜を眺めながら坂本龍馬と幕末福井の偉人ゆかりの地を巡るモデルコース
福井の花見スポットである「足羽川桜並木」や「足羽山」は、JR福井駅から徒歩圏内にあり、毎年多くの観桜客で賑わいます。また、足羽川の周辺には、土佐の偉人坂本龍馬や龍馬と親交のあった偉人ゆかりの地があり、お花見を楽しみながら龍馬ゆかりの地を巡ることができます。
このモデルコースでは、福井駅から徒歩で、「日本さくら名所100選」に選ばれている足羽川・足羽山の桜と坂本龍馬と幕末の福井ゆかりの地を巡ります。
<桜の開花時期は、例年3月下旬から4月上旬頃です>
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- 所要時間
- 1泊2日
- 交通手段
- 徒歩
福井駅・ハピリン
まずは周辺でランチ。
JR福井駅西口を出て徒歩すぐにある商業施設が「ハピリン」です。建物の中には、食事処やカフェ、コンビニ、県内のお土産が揃うほか、多目的ホールやプラネタリウムなどもあります。
1階の屋根付き広場「ハピテラス」では、大型ビジョンを備えたガラス張り全天候型でグルメやフェス、発表会、コンサート、かき小屋、季節限定のスケートリンク設置など様々なイベントが開催されているので、まずはここから見て回ってみましょう。
- 住所
- 中央1丁目2₋1ハピリン内
- 電話番号
- 0776-20-2080
- 営業時間
- 9:00~22:00
- 休業日
- 無し
福井駅西口広場(恐竜広場)
恐竜王国福井の広場で記念撮影
内堀公園
福井城址のお堀沿いにひっそり佇む歴史スポット
福井城址のお堀の側にひっそりとある小さな公園。ここには、横井小楠と由利公正の像があります。
横井小楠は、熊本藩士で、福井藩主松平春嶽に招聘されて福井藩の政治顧問となりました。
由利公正は、福井藩士で、横井小楠の学問に影響を受け、藩財政を研究し、福井藩の財政立て直しに貢献した人物です。坂本龍馬とも交流があり、維新後には新政府の参与となり財政を担当したほか、明治4年(1871)には、廃藩置県後初の東京府知事となっています。
彫像は、安政5年(1858)冬に横井小楠が由利公正(三岡八郎・福井藩士)を同行して九州に旅立つ姿を表現したものです。
- 住所
- 大手10
- 営業時間
- 見学自由
名勝 養浩館庭園
福井藩主松平家の別邸で一息
養浩館は福井藩主松平家の別邸で、江戸時代には「御泉水屋敷(おせんすいやしき)」と称されていました。庭と密接な関連の基に建造された池の周囲の書院建築の数々と、広大清澄な園池を主体とした回遊式林泉庭園(かいゆうしきりんせんていえん)は江戸中期を代表する名園の一つとして広く知られていました。
福井大空襲で建造物が焼失しましたが、昭和57年に国の名勝に指定されたことが契機となって、文政6年の「御泉水指図」により近年、整備が行われました。現在では、建造物・池だけでなく玉砂利・石組・樹木も四季折々に風趣が漂い、庭園の趣を楽しめます。
米国の専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデン」による日本庭園ランキングでも上位に選ばれる名勝。
- 住所
- 宝永3-11-36
- 電話番号
- 福井市立郷土歴史博物館 0776-21-0489
福井市文化振興課 0776-20-5367 - 営業時間
- 9:00~19:00(3月1日~11月5日)*ただし入館は18:30まで
9:00~17:00(11月6日~2月末日)*ただし入館は16:30まで - 休業日
- 無休。ただし年末年始(12月28日~1月4日)を除く。
福井市立郷土歴史博物館
福井藩主松平家の資料を所蔵
福井藩主であった松平家の資料を中心に、城下町の暮らしぶりや戦災、震災などの資料を常設展示しています。福井城本丸や九十九橋の復元模型やCGを使った展示なども見どころです。さらに、江戸時代の衣服や道具を体験できる「へんしん越前屋」では江戸時代の衣服や道具を体験することもでき、楽しみながら歴史を学ぶことができます。
館外北側にある展示「福井城舎人門遺構」は、建築前に見つかった堀や土塁の遺構とともに復元されています。
- 住所
- 宝永3-12-1
- 電話番号
- 福井市立郷土歴史博物館 0776-21-0489
- 営業時間
- 9:00~19:00(3月1日~11月5日)*ただし入館は18:30まで
9:00~17:00(11月6日~2月末日)*ただし入館は16:30まで - 休業日
- 年末年始(12月28日~1月4日)と展示替えによる臨時休館日。
さくら通り
名のとおり、道路の両脇に桜並木が続く道
福井市内で最も早く桜が咲く場所です。(3月下旬~)
福井県庁南の歩道橋からは、フェニックス通りを走る福井鉄道の路面電車と桜を捉えることもできます。
福井城址
福井城の跡地、今は桜の名所に。
福井城は、徳川家康の次男・初代福井藩主・結城秀康が慶長11年(1606)に築城し、約270年間17代にわたり越前松平家の繁栄の舞台となった名城です。築城当時は高さ37m・四層五階の雄大な天守閣が建っていましたが、大火で焼失、幕末の時代にはすでに天守閣はなかったそうです。
現在では石垣と堀の一部だけが残るのみですが、春は桜の名所となっています。天守台跡の広場は小高く、桜の枝を手の届く距離で眺めることができる花見スポットです。天守台下には、「福井」の名の起こりとなったという「福の井」と呼ばれる井戸跡もあります。
- 住所
- 大手3
- 電話番号
- 0776-20-0252
- 営業時間
- 見学自由
- 休業日
- 無
明道館跡
福井藩の学校があった地
福井藩主松平春嶽が日本を背負って立てるような人間を育て上げる目的で安政2年(1855)に建てた藩の学校です。
安政4年(1857)1月に橋本左内が学監心得(今でいう校長)に任ぜられ、明道館の改革が始まりました。橋本左内は福井城下4箇所に子供たちのための塾と武芸の稽古所をつくり、藩内の道場を全て明道館に併合。また法律学校を新設し、欧米の優れた学問を広く学ばせようと進めました。
明治2年(1869)には、場所を福井城内に移転し、名前も「明新館」と改めます。その後、旧制福井中学校、福井尋常中学校、そして現在の福井県立藤島高校へとつながっています。
現在は、明道館のあった跡地、ビルの片隅に小さな石碑が建っています。
- 住所
- 大手3-4-1
- 営業時間
- 見学自由
横井小楠寄留地跡
幕末の福井藩政治顧問 横井小楠の寄留地
松平春嶽が熊本藩から招聘し福井藩政治顧問となった横井小楠が、福井に訪れた際の寄留宅跡地。坂本龍馬が勝海舟の命で来福した際にこの居宅を訪れています。弟子にあたる由利公正宅とは足羽川を挟んで向かい合っています。
- 住所
- 中央3-11
由利公正広場
郷土の偉人「由利公正」が桜並木の絶景と福井のまちを望む広場
由利公正居宅跡に近い足羽川の幸橋南詰上流側にある広場。公正の恩師である横井小楠の寄留宅跡(幸橋北詰下流側)の方向を向く由利公正像や、五箇条の御誓文の原案となった「議事之体大意」の展示版などが設置されています。
由利公正とは
由利公正肖像写真(福井市郷土歴史博物館蔵)
由利公正(三岡八郎)は、幕末・明治期の政治家で、1829年、現在の福井市毛矢1丁目に福井藩士三岡義知の長男として生まれました。横井小楠に師事し、福井藩の財政建て直しを含む、藩政の改革に貢献しました。明治新政府の成立後は太政官札(新政府の発行した最初の紙幣)を発行するなど、財政基盤の整備や、「五箇条の御誓文」の原案となった「議事之体大意」を作成しています。その後、東京府知事となり、銀座通りの整備等を行いました。
- 住所
- 毛矢
- 営業時間
- 見学自由
坂本龍馬の歌碑
なぜ福井に?坂本龍馬の歌碑
福井市の中心を流れる足羽川の遊歩道に、由利公正宅で会談中、坂本龍馬が詠んだ歌が彫られています。
石は龍馬の故郷(高知県)から取り寄せたものです。
『君がため捨つる命は惜しまねど心にかかる国の行く末』
- 住所
- 毛矢2丁目(幸橋南詰)
- 営業時間
- 見学自由
由利公正宅跡
歌碑がこの地に置かれたのは、龍馬と親交があった由利公正の自宅があったから
福井藩財政を再建し、新政府では「五箇条の御誓文」の原案「議事之体大意」を作成した由利公正(三岡八郎)が住んでいた地。ここで横井小楠に連れられた坂本龍馬と三人で会談したとされ、その際に龍馬が詠んだとされる「君がため捨つる命は惜しまねど心にかかる国の行く末」の歌碑があります(龍馬の生家近くから取り寄せた石材を使用)。宅跡の辺りは「毛矢侍」と呼ばれる下級武士が住んでいた地域で、由利公正はこの地から福井藩の重要な家臣として出世していきました。
(※実際の宅跡は現在の河川敷辺りにあり、明治33~44年の河川工事で失われています。)
- 住所
- 毛矢2-1
- 営業時間
- 見学自由
周辺の餅店で団子や安倍川餅を購入
眼下には、満開の桜並木、キッチンカーや出店、桜並木で花見をする人などが広がっているはずです。
少しだけ寄り道をして、周辺のお餅屋さんで団子やお餅を購入してみてはいかがでしょう。中でも福井市民が大好きな「安倍川餅」を探してみてください。安倍川餅は、お餅の消費量全国トップクラスの福井市民から愛されるグルメで、三角や丸のやや大きめの一口サイズに切ったお餅に、黒蜜ときな粉がたっぷりまぶしたものです。つきたての柔らかいお餅を使っていて日持ちしないため、地元以外に知られていないここだけグルメなんです。
足羽川周辺には、老舗のお餅・和菓子屋さんが多くあります。あまとや、蝋金餅店、ひげ餅舗、かわせ餅など、美味しい甘味を味わってみてください。※安倍川餅は早い時間に売り切れることがありますのでご了承ください。
足羽川桜並木
春の福井の主役、「日本さくら名所100選」にも選ばれた約600本の桜並木
福井市の中心を貫いて流れる足羽川。その堤防(木田橋-新明里橋の間)沿いに約600本・全長2.2kmに渡って広がっているのが足羽川の桜並木です。
特に、花月橋周辺には、堤防の両脇にソメイヨシノの大木が並び、満開の時期にはピンク色の壮大なトンネルくぐりが楽しめます。
例年3月末から4月初旬頃には「ふくい桜まつり」が開催され、1.5kmに及ぶ桜並木のライトアップ、河川敷には出店、キッチンカー、桜床などが登場し、花見を楽しむ多くの人で賑わいます。
関連ページ
- 住所
- 毛矢・つくも・照手・明里町
- 電話番号
- 0776-20-5346
- 営業時間
- 開花期間中
- 休業日
- 無
莨屋旅館跡(たばこやりょかんあと)
龍馬暗殺の約2週間前、福井を訪れ、宿泊した地
慶応3年(1867)11月、坂本龍馬が暗殺される前に、由利公正と新政府の構想について会談した旅館。夜更けまで日本の将来を語り合ったと言われています。その後火事で焼失した寄留宅の跡に石碑が建てられました。
- 住所
- 照手1-14
ホテルリバージュアケボノ
桜並木に隣接するホテル 早めのチェックインをして休憩
福井の歴史と文化をモチーフに、四季を通じて自然豊かな景観が楽しめる河畔のシティリゾートホテル。
最上階の天空大浴場からは「水と歴史の都福井」を一望でき、日本一といわれる春の桜並木は圧巻。
ビジネス、観光に最適。
- 住所
- 中央3-10-12
- 電話番号
- 0776-22-1000
夕食は福井が誇るグルメを楽しんで
ホテルや周辺の飲食店で夕食を
夕食はホテルでとってもいいですが、足羽川の桜並木は、福井市の繁華街「片町」や料亭が並ぶ「浜町」とのアクセスが良いいこともポイントなんです。
周辺には、福井のご当地グルメの代表格「ソースカツ丼」が有名な「ヨーロッパ軒総本店」や10本、20本単位での注文が飛び交う「やきとりの名門 秋吉 片町本店」、美味しい福井の食を提供する居酒屋や料亭、寿司屋などが集中しています。地元民が通う福井の飲食店で自慢のグルメを味わってみてください。
愛宕坂(ライトアップ・灯の回廊)
期間限定開催のライトアップが幻想的
観桜期は夜もおとなしく過ごすのはもったいないです。桜のライトアップを見に夜の散歩にでかけましょう。春とはいえ、福井の夜はまだ肌寒いのでコートを用意するのも忘れずに。
「桜橋」を渡り「愛宕坂」へ。愛宕坂は、福井市中心部から南西に位置する足羽山への登山道として開かれた道で、145段、全長165mの階段が続きます。
江戸時代までは愛宕大権現社への参道として知られ、歴史ある料亭や茶屋が立ち並び栄えていました。期間限定で開催されている「灯の回廊」が、行灯の優しい光に包まれた幻想的な景観をつくりだしています。
- 住所
- 足羽1丁目6-37
- 電話番号
- 0776-20-5367
- 営業時間
- 見学自由(ライトアップは春と秋の一部期間のみ)
足羽神社のしだれ桜
越前最古の歴史をもつ神社に咲き誇るしだれ桜
愛宕坂を上り「足羽神社」へ。足羽神社は、継体天皇と坐摩神(いかすりのかみ)五柱を祀る越前最古の神社です。
足羽神社の境内にある樹齢380年のしだれ桜は、福井市内でも圧倒的な存在感を誇ります。足羽川の桜並木からの徒歩圏内(階段や坂を登りますので注意してください)にありますので、両方見ないと絶対に損ですよ。開花期には夜間のライトアップ(例年23時頃まで)も行われており、妖艶な魅力を放つその姿は必見です。
- 住所
- 足羽1丁目8-25(足羽山)
- 電話番号
- 0776-36-0287
- 営業時間
- 9:00~17:00
宿泊
桜並木を見ながら1日の疲れをゆっくり癒して
桜のライトアップを楽しんだあとは、ホテルに戻るもよし、「足羽川桜並木」のライトアップや屋台を楽しむもよし、福井の繁華街「片町」まで足を運んで居酒屋やバーで飲むのもよし。
ホテルリバージュアケボノの「天空大浴場」は足羽川の桜並木を見下ろせる絶好のロケーションです。同ホテルをご利用の際は忘れずにご利用ください。
朝食
福井の郷土料理が食べられる「お幸ざい」バイキングを堪能
福井は、朝食を外で食べる文化が無いので、朝食はホテルでとるのがおすすめです。主に福井市旅館組合加盟のホテルで提供されている「お幸ざい」朝食をお楽しみください。
「お幸ざい」とは、「たくあんの煮たの」や「すこ」など、福井の素材を使い、福井の伝統的調理法で作ったお惣菜のことを指しています。福井の家庭で作られ、お袋の味として親しまれてきた料理を福井市内のホテルで味わうことができますよ。