福井の郷土料理、「へしこ」を深掘り! 歴史からおすすめの食べ方、福井駅周辺で買える変わりダネお土産までガイドします!
「へしこ」はもともと知る人ぞ知る福井の隠れ珍味的な存在でした。お土産に渡せば「これ、何?」と思われることもしばしば。しかし最近では県外でも知られるようになり、福井県内のお土産売り場ではだいたいどこにでも売っている人気の一品。2007年には農林水産省から「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれました。へしこの歴史や食べ方、アレンジ料理、福井駅周辺を歩いて見つけた変わりダネお土産まで、福井のソウルフードの人気の秘密に迫ります!
へしこは、どんな食べ物なの?
福井県若狭地方の伝統料理「へしこ」は、魚を糠漬けにした発酵食品です。魚を樽に漬け込むことを「圧し込む(へしこむ)」と言っていたことが名前の由来といわれています。新鮮な魚の内臓を取り出し、樽で1ヶ月ほど塩漬けした後、半年以上米糠に漬け込むことで発酵と熟成を繰り返し、しょっぱいながらも特有の濃縮された魚の旨味と香りが生まれます。腐りにくく長期保存が可能なため、江戸時代中頃にはすでに若狭地方では、厳しい冬を乗り越えるための貴重なタンパク源として作られていたと考えられています。
最も生産量が多いのは「サバのへしこ」ですが、イワシやイカ、フグなど、様々な魚介で作られることもあります。さらに、地域によっては麹や醤油、鷹の爪、酒など、加える材料にも違いがあり、それぞれ独自の製法が見られます。現在でも県内沿岸地域では、へしこを漬ける家庭は多く、地元の人々にとっては生活に溶け込んだ馴染み深い食品です。
いざ!へしこを買おう!
お土産としても有名なへしこですが、お土産売り場だけでなくほとんどのスーパーで購入が可能です。一匹まるごとでも2,000円ほどで意外とリーズナブル。半身や切り身でも売られていますが、一番人気は包丁いらずのスライスだとか。そのままごはんにのせていただけてお手軽です。
一匹まるごとは多すぎる・・・そんな時にぴったりなのが、一切れや一口サイズの切り身です。写真のへしこは刺身一切れほどの大きさ。単身者やちょっと食べてみたいという人におすすめです。へしこは要冷蔵ですが、真空パックのため日持ちがして、においも気にならないのでお土産にぴったりです。
おすすめの食べ方は?超簡単なアレンジ料理も紹介!
塩味が強いへしこは炙って酒の肴に、また、アツアツご飯にのせてお茶漬けにするのがもっとも一般的な食べ方です。「和」のイメージがあるへしこですが、さまざまな洋食とも相性抜群で、アレンジ次第では家庭料理からおもてなし料理まで幅広いメニューが作れます。塩味を確認し、好みの味に調整しながらチャレンジしてみましょう。
へしこにじゅうぶん塩味があるので、塩味が強めの具材は避けたほうが良さそう。バジルやトマトなど野菜といっしょに食べるとあっさりといただけます。発酵食品同士、チーズとの相性がgood。
へしこは塩味と魚の風味を感じるのでオイル系のシンプルパスタ、「ペペロンチーノ」がおすすめ。最初にオリーブオイルでへしこを炒めると香りや旨味がさらに深まります。
意外な組み合わせですが、マヨネーズでまとめられたポテトサラダのまろやかさとパンチ力のあるへしこの旨味が絶妙に調和。酒にも合う“大人のポテサラ”に変身します。
お気づきでしょうか? へしこ料理は、独特の塩辛さを利用して「アンチョビの代用」として料理に使うのがポイントです。アンチョビはカタクチイワシの塩漬けで、塩味が強く単品ではなく調味料や味のアクセントとして使用します。アンチョビを使ったイタリアやスペインの料理を参考にへしこを使ってアレンジすると、料理名人になれるかもしれません。
【小ネタ】一匹まるごとを調理する場合のHow to
塩味が強いへしこは少量ずつ食べるのが一般的です。では、一匹まるごとのへしこを調理する場合はどうしたらいい?意外に知らないへしこの下処理。これを知っていれば安心です。
- ①腹の糠を取り除いて頭と尾を切り落とし、2枚におろしたら好きな大きさにカットする
- ②1切れずつラップに包み、ジッパー付きビニール袋に入れて冷蔵庫へ。食べきれない分は冷凍保存も可能
- ③焼く場合は糠を洗い流して焼くか、軽く払い落として焼く。糠は焦げやすいので火加減に注意する
福井駅周辺で見つけた!へしこの変わりダネお土産
カメラを片手に福井駅周辺をぶらりと歩き、へしこ土産を調査!どのお土産売り場にも一般的なへしこは置いてありますが、ここではちょっと気になるユニークな「変わりダネへしこ」を紹介します。
※価格は2024年9月24日現在のものです。
越前田村屋 くるふ福井駅店
鯖のへしこ三種包み(1,980円)、鯖のへしこペペロンチーノ(1,200円)
福井駅に隣接する「くるふ」で、へしこのペペロンチーノがすぐに完成する魔法のソースを発見!パスタをゆでてソースを絡めるだけで完成するので男女問わず喜ばれそう。刺身、炙り用、吟醸漬けが入った三種包みは晩酌好きなお父さんにいかがでしょう。
基本情報
越前田村屋 くるふ福井駅店
<住所>福井県福井市中央1-1-25 くるふ福井駅
<TEL>0776-27-7001
<営業時間>8:30~20:00
<定休日>年中無休(元旦のみ休業)
福井市観光物産館 福福館
へしこ風味ポテトチップス(616円)、へしこ缶詰(1,512円)、鯖へしこ茶漬け(702円)
福井駅西口すぐのハピリン2階にある福福館ではへしこの缶詰やお茶漬けのほかに、へしこの糠で作ったパウダーをかけてシャカシャカ振って完成するポテトチップを見つけました!銘菓の羽二重餅と並んで陳列されているあたり、期待の高さを感じます。
基本情報
FOODLAB MINIE BASE フードラボミニエベース
たべるへしこオイル(800円)
プレーンや激辛など3種類ある「たべるへしこオイル」は、へしこの味わいがしっかり残り、卵かけご飯にぴったりです。そのほか、オイルごと使ってパスタやチャーハンも作れるとか。料理好きな人へのお土産に良さそうです。
基本情報
FOODLAB MINIE BASE フードラボミニエベース
<住所>福井県福井市中央1丁目3-5 フクマチブロック1階 フードホールMINIE
<TEL>0776-30-0291
<営業時間>10:00~19:00
<定休日>無休
鮮魚 魚廣 西武福井店
ふぐやいわしの糠漬けなど(540円~)
鯖だけでなく、カワハギやフグ、イワシなど糠漬けの種類が多いのがここ。フグは毒素を完全に抜くために3年間漬けるそう。実際食べてみるとサバと大きな味の違いはありませんが、薄切りなので塩味は少しまろやか。一口サイズで調理いらずがありがたい。
基本情報
鮮魚 魚廣 西武福井店
<住所>福井県福井市中央1-8-1 西武福井店地下1F 魚廣
<TEL>0776-27-3186
<営業時間>10:00~19:30
へしこのメニューがある福井市内の飲食店を紹介
福井市内にはへしこ料理を提供する店舗も多いので、地酒とともにプロの味を堪能するのがおすすめです。ピザやそば粉ガレットなどおしゃれなアレンジ料理も楽しんでみては。
- イタリア食堂ITSUKI
- 福井・浜町にある創業40周年を迎えた老舗イタリアン。昼も夜も気軽に行ける雰囲気で、「へしこピザ」が美味。
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- ポポー軒
- 福井市の繁華街「片町」で、つなぎを一切使わない福井県産そば粉100%、気さくな店主が毎日手打ちする十割そばが味わえます。そば店として…
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- 蕎麦 やすたけ
- 契約農家から直接仕入れた福井県産の玄蕎麦を自家製粉。毎日挽き立ての蕎麦粉と水だけで丁寧に手打ちしています。さらに毎朝1時間近く煮…
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- 味処 おたん
- 駅前の食堂として開業し、創業75年を超える老舗です。アットホームな温かい雰囲気のお店で、地元民が足しげく通い、名物のおでんや地場の…
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- まるさん屋 福井片町店
- 浜焼き鯖・のどくろ・へしこなどの地物食材を取り揃え、敦賀から直送した新鮮で種類豊富な料理は100種類以上。越前蟹やふぐといった季節…
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- 味処 庄屋
- 地産地消で50年間、品数豊富で価格もリーズナブル。福井の新鮮な魚介類を中心に、福井の地酒やへしこなどの郷土料理も取り扱っています。
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- イタリア食堂ITSUKI
- ポポー軒
- 蕎麦 やすたけ
- 味処 おたん
- まるさん屋 福井片町店
- 味処 庄屋
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まとめ
江戸時代から続く味は今も人を魅了します。一度食べたら沼る人続出! 生の鯖と比較して旨味成分であるアミノ酸が2.5倍と言われています。へしこの深~い味わいがお土産を通して全国に届くといいな。
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福井の名物・ご当地グルメ
ソースカツ丼、越前おろし蕎麦、越前ガニ、焼き鳥(じゅんけい)、お寿司、お造り(お刺身)、海鮮丼、ボルガライス、しょうゆカツ丼・・・
ふくいの「食」は一度食べたら忘れられないホンモノの美味しさ。豊かな自然環境に恵まれ、四季がはっきりとした福井で楽しめる四季折々の食をご紹介します。