坂本龍馬は福井藩と深い繋がりがあったことをご存じですか?
みなさん、「坂本龍馬」を知っていますか?と聞かれて知らない人はいないでしょう。
土佐出身の幕末の志士で、薩長同盟や大政奉還などに関わった幕末の日本における超有名人です。
ですが、そんな坂本龍馬が福井と深いつながりがあったことについてご存じの方は少ないのではないかと思います。
龍馬は日本各地で多くの人々と交流をしていましたが、実は福井と福井藩の屋敷にもたびたび訪れており、多くの人物と交流をしていました。
今回は、そんな坂本龍馬と福井のつながりについて、深堀りしていきます!
これを読めば、あなたも福井に来たくなるはず♪
龍馬の人生を変えた!? 福井藩16代藩主「松平春嶽」との出会い
坂本龍馬が勝海舟の弟子だったことをご存じの方は多いかと思います。
ではなぜ、土佐藩の下級武士の出身であった龍馬が幕府の中心人物であった勝海舟の弟子になれたのでしょうか?
そこには、福井藩、そして「松平春嶽」が深くかかわっています。
松平春嶽は第16代福井藩主として、橋本左内や三岡八郎(由利公正)など身分にとらわれずに優秀な人材を登用し、多額の借金を抱えていた藩の立て直しをした人物で、土佐藩の山内豊信、薩摩藩の島津斉彬、宇和島藩の伊達宗城と並んで幕末四賢侯と謳われた明君です。
徳川幕府の将軍継嗣問題などで井伊直弼と対立し、安政の大獄で謹慎、藩主を退いていますが、後に復権し、政事総裁職(現在の総理大臣のようなポジション)となり、幕府の重要人物となっていきます。
そんな中、文久2年(1862)閏8月頃、龍馬が春嶽との面会を求めて江戸の福井藩上屋敷を訪ねています。しかし、この時は春嶽に会うことは叶いませんでした。
その後、同年12月5日、龍馬は初の面談を果たし、春嶽へ大坂湾近海の海防策を論じ、親交を深めていき、この後、春嶽より紹介状を得て、勝海舟に弟子入りを果たしたという説もあります。
福井での春嶽との出会いから、龍馬は福井藩とその関係者から多くを学び、支援も受けています。
春嶽と土佐藩の山内容堂は、天皇の下で幕府・諸藩が連合する政治体制を目指す同志であり、福井藩との親交が、後の日本を動かすこととなる坂本龍馬の国家思想にも影響を与えていたことでしょう。
福井とのつながりをお姉ちゃんに自慢
実は龍馬はかなりの筆まめでした。
実際に龍馬の書いた手紙は、現在140通余り残っています。
その中には、姉乙女や兄権平、姪の春猪など、土佐の親族に送ったものも多く、その内容も個性的なものだったようです。
ちなみに、乙女は龍馬の3歳年上の姉で、12歳の時に母幸(こう)と死別したのちに育ててくれた龍馬の母親ともいえる大切な人です。
薙刀がうまく、三味線や舞踊、和歌などにもたけた文武両道の人だったようで、龍馬をたくましく育て、武芸や学問を教えたのは乙女だったと言われています。
そんな大好きなお姉ちゃんに送った手紙(文久3年(1863)6月29日付)(「日本を今一度せんたくいたし申候」が出てくる手紙です)の中で、自分が福井藩をはじめとした大藩から見込まれて二度も仕官を誘われたこと、支援を受けていることなどを自慢しています。
春嶽をはじめとした福井藩とのつながりは龍馬にとって大切なものだったことがうかがえます。
地味にすごい?福井藩士 龍馬と福井の仲間たち
龍馬は春嶽の他に、福井藩士とも幅広い人脈を築いていましたが、その中には、三岡八郎(由利公正)をはじめとして、山本龍次郎(関義臣)や中根雪江、村田氏寿など、明治新政府に出仕した人物が多くいます。
山本龍次郎は、龍馬が隊長を務めた海援隊に参加していました。
維新後は司法・行政官として手腕を発揮し、徳島県知事や山形県知事などを歴任しています。
三岡八郎(由利公正)は特に龍馬と馬が合ったようで、福井に訪れた際には、足羽川近くの莨屋旅館にて、早朝から深夜まで延々と日本の将来を語り合いました。
龍馬は三岡を高く評価しており、土佐藩の後藤象二郎へ新政府入りを推薦、中根雪江には三岡を早く出仕させるよう懇願する手紙を記しています。
現在も三岡の自宅があったとされる足羽川の幸橋の近くには、由利公正の像と坂本龍馬の歌碑が残っています。
また、三岡と龍馬が日本の将来について語り合った場所である莨屋旅館の跡地にも石碑が残されています。
いずれも福井市中心部で歩いて回れる距離にありますので、福井の歴史を龍馬の足跡と共に回ってみてはいかがでしょう?
龍馬と福井の関係についてご紹介しました。
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