「越前ガニ」とは?福井県が誇る味覚の旬やおすすめの食べ方をご紹介します!
福井の冬グルメの王者・越前がに(オスのズワイガニ)は、黄色いタグがブランドの証であり、知名度と品質ともに全国トップクラス。全国唯一の“皇室献上がに”であり、カニでは全国で初めてGI「地理的表示保護制度」にも登録されました。
その貴重さから、ほとんど県外に出回らない越前ガニ。雄のズワイガニは市場価格で1杯2万5千円~5万円ほどもする高級品で、さらに年々値段は上昇傾向にあります。
人生で一度は食べてみたい。でも絶対に後悔したくない。そんな越前ガニの種類や旬の季節などについてご紹介します。
何故うまい?好環境で育ち、職人技が作る極上の味わい。
なぜ、越前がにはこれほどまでに美味しいと言われるのでしょうか?
まずは、漁場の環境です。越前海岸沿岸は複雑な潮の流れにより、越前がにのエサとなるさまざまなプランクトンや魚が集まる豊かな場所です。段々畑状になった海底は、カニにとって快適な生息場所でもあります。
次は、漁場から港までの距離です。漁場は遠い所と思われがちですが、漁場~港は約1~2時間と短距離。ですから水揚げして短時間で、新鮮なまま出荷できるのです。
漁獲についても福井独自の決まりがあって、資源保護のために甲幅9cm以上のものしか漁獲していません。成長し、確実に身が詰まったカニだけを獲っているので、食べ応えは十分です。
地元に伝わる“カニ見十年、カニ炊き一生”という言葉通り、カニの取り扱いは繊細かつ難しいと言われています。
その難しさを常に超えようと大昔から技を磨き続ける職人達が、福井の茹でガニの美味しさを支えていると言っても過言ではありません。
長い脚にぎっしり詰まった身は瑞々しくて上品な甘みがあり、そして濃厚なカニ味噌もたっぷり。さらに、茹で、刺し、焼き、鍋、釜飯、甲羅酒、多彩な味わい方が食通をも唸らせているのです。
Column
歴史上の文献によれば、カニ漁は安土桃山時代から始まったと言われています。
福井では大昔からカニ漁や美味しい食べ方を熟知し、それが今も続いているというわけです。
越前ガニ=オスのズワイガニ。<漁期:11/6~3/20>
越前ガニとは、オスのズワイガニのことを言います。 「越前ガニ」の一番美味しい食べ方は、なんといっても茹でガニです。アツアツ茹でたては、一度食べたら忘れられません。塩加減、茹で加減、茹で時間など、絶妙な感と技術が必要なカニの茹で方には職人技が光ります。
また、越前ガニといえば「黄色いタグ」。タグは越前ガニを証明するもので、カニでは全国で初めて登録されたGI「地理的表示保護制度」のマークと水揚げした漁船名が明示されています。過去にはオスのズワイガニだけに取り付けられていましたが、現在はメスのセイコガニにも黄色いタグが付けられるようになりました。
Column
GI(地理的表示保護制度)とは
「地理的表示保護制度」は、その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因の中で育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を、地域の知的財産として保護する制度で、農林水産省が認知の拡大とGIブランドの確立を進めています。
超希少、越前ガニの最上級ブランド「極(きわみ)」とは?
越前ガニの中でも最上級のブランドとして君臨しているのが”越前がに極(きわみ)”です。1.1kgが目安とされる皇室献上ガニを超える重さ1.3kg以上、甲羅のサイズが14.5cm以上、爪の幅が3cm以上の基準を満たすものだけが認定されます。その希少性から値段は1匹、数十万から百万超えにもなることもあります。
「赤いダイヤ」と呼ばれる絶品内子。メスのズワイガニ「セイコガニ」<漁期:11/6~12/31>
越前海岸で水揚げされるのは、オスのズワイガニだけではありません。
メスのセイコガニは、オスのズワイガニより比較的安く出回りますが、12月末までしか漁ができないため、約2ヶ月という短い期間だけ食べることができます。
セイコガニの特徴は、お腹の中にある赤いダイヤ”と呼ばれる内子(卵巣)と、プチプチした食感の外子(受精卵)です。
特に内子の濃厚でとろけるような味わいは福井県民を虜にしていて、この味のファンは内子の味を越前がに以上と言うほどです。
オスの越前ガニより小さく足の身が少ないので、丼や身出しした形で提供されることも多いカニです。
甘みが際立つ、ズワイガニの脱皮直後の状態「水がに」<漁期:2/19~3/20>
水ガニは水分を多く含み、食べる時に「ズボッ」という音が出ることから“ズボガニ”とも呼ばれています。
越前がによりも甘いのが特徴で、販売時には茹でた脚だけが束ねられています。茹で立ては甘さがより一層引き立ち、その味に驚く人も多いようです。
水ガニは、越前ガニのシーズンも終盤にさしかかり、福井が雪に包まれる2月から3月にかけて出回ります。
旅行シーズンからも外れているので、地元以外ではあまり知られておらず、若干ですがズワイガニより安価で提供されるので実は狙い目のカニです。
カニの漁期
漁期を押さえて、目当ての時期に予定を立てよう
越前がに/11月6日~翌年3月20日
せいこがに/11月6日~12月31日
水がに(ズボガニ)/2月19日~3月20日
越前海岸の各地では、解禁後にイベントも開催
越前海岸の港周辺では、カニシーズンになると大勢の人で賑わうイベントも開催されます。越前ガニを浜値で購入できる特別販売や、福井の新鮮か海産物や加工品が並ぶ一大グルメイベントです。会場は大変な混雑になりますが、旅行日程が合うなら是非訪れてみてくださいね。
越前ガニ、どこで食べる?やっぱりオススメは宿泊です。
美味しい越前がにを食べたいなら、やはり地元で新鮮なものを食べるのが一番!
越前ガニのメッカは、坂井市の三国港周辺や福井市から越前町へかけての越前海岸エリアです。
福井駅周辺エリアにも越前ガニを扱う料亭や寿司屋がたくさんありますよ。
三国エリアや越前海岸エリアでは、越前がに+宿泊がおすすめです。数時間前まで海底にいたカニを、いろんな味わい方で楽しむ。
これぞ王者、越前がにに相応しい向き合い方であり、贅沢な冬限定の過ごし方と言えるでしょう。
茹でガニ、カニ刺し、しゃぶしゃぶ、炊き込みご飯。これぞ!かにのフルコースいろんな食べ方で味わう!
越前がには茹でが一番おススメですが、その他にも甘みをたっぷり感じられる刺身に、しゃぶしゃぶなどその食べ方もバラエティに富んでいます。
JR福井駅近くの「旬香逎燈(しゅんかしゅうとう) 煙や」では、オーナー自らが仕入れる活がにの入った水槽がお出迎え。
店内で、茹でたアツアツのカニのほか、せいこがにのクリームコロッケ、炊き込みご飯など様々なカニ料理が味わえます。
コース料理では、活がに見せてもらった上で、茹で、焼き、刺身のいずれか好きな調理方法を選べます。
その他、甲羅盛りにコロッケ、土鍋ご飯に至るまでカニのオンパレード! しかもこのコースでは、福井県産鮮魚の旬の刺身や、若狭牛のすき焼き、福井では冬のスイーツの定番である水ようかんと、福井グルメも一気に味わえてとてもお得です。
カニシーズンに入ると福井市内の飲食店では和食だけでなく洋食やイタリアン、フレンチ、様々なカニ料理のメニューが登場します。各店の個性あふれる逸品メニューで、カニ三昧を楽しんでください。
写真は、越前ズワイガニ20000円コース(税別)
(2名~受付 1日前の18時までに要予約)
・越前セイ甲ガニの甲羅盛
・煙や前菜4種盛合わせ
・旬の鮮魚4種盛合わせ
・若狭牛のすき焼き 煙やver.
・越前ずわいがに(大) お好きな食べ方で(茹でがに・焼きがに・かに刺し)
・セイ甲がにのクリームコロッケ
・セイ甲がにの土鍋ごはん
・ほうじ茶と胡桃のジェラート 手作り水ようかん
*メニュー、価格は変わる場合がございます。
基本情報
旬香逎燈(しゅんかしゅうとう) 煙や
住 所:福井市大手2丁目7-23
アクセス:JR福井駅から徒歩3分
電 話:050-5486-7791
営業時間:17:30~24:00
定 休 日:日曜日(祝日の場合は翌日)
駐車場なし
メスのセイコガニはランチがオススメ。旨味がぎゅっと濃縮された海鮮丼を目の前が日本海というロケーションで堪能!
せっかくなら越前がにの本場、やっぱり越前海岸沿い、目の前は日本海というロケーションでその味を堪能したいものです。
旅館でも昼食のみの予約をできるお宿や、茹でたてをその場で味わえる、食事処もあります。
越前ガニの解禁直後に福井にいけるなら是非味わいたいのが、越前ガニのメス「せいこがに」。
※せいこがにの漁期は資源保護のため12月末までと短くなっています。
なかでも、全国区の人気を誇る「魚屋の喰い処まつ田」の海のアイドル「まつ田せいこ丼」は、せいこがにを2杯も使用した贅沢さが特徴です。
上品な甘さのかに身にとろけるような内子、弾けるような食感の外子、濃厚なかに味噌、そして殻からとった出汁で炊いたご飯を一緒にほおばれば…! 贅沢と幸せが一度にやってくる感じです。
目の前の雄大な日本海を眺めながら、至福の時間を過ごせます。1日限定200食(要予約)。
基本情報
魚屋の喰い処まつ田
住 所:福井市蒲生町16-7-1
アクセス:JR福井駅から車で50分
電 話:0776-89-2740
営業時間:11:00~16:00 (15:00LO)
夜の営業/平日は団体のみ予約受付。カニシーズンは、「越前がにフルコース」のみ、2日前までに要予約。
20:30LO、21:00閉店(団体については個別に応相談)
定 休 日:木曜日(11~3月は無休)
駐車場あり
まとめ
冬の福井に来るなら絶対に検討したい越前ガニの漁期や食べ方などについてご紹介しました。
食べられる期間も短く、値段も張る越前ガニ。それでも多くの方が冬の福井をめざすのは、越前ガニの瑞々しくて甘さも上品な身と濃厚な味噌。
どれもが奥深い味わいで、茹でても焼いても、刺身、鍋、丼など、どのようにして食べても一言、「美味しい!」に尽きるからでしょう。
食通を含め多くの人が「一度食べたら忘れらない味」「高価だけど食べる価値あり」と太鼓判を押す越前ガニ。みなさんも是非一度食べてみてくださいね。
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