焼き鯖寿司とは?福井駅周辺で手土産や駅弁、ランチにもぴったりなお店を紹介します。定番から個性派まで12種類をピックアップ!
香ばしく焼き上げた鯖を、生姜や大葉、酢飯とともに押し寿司にする「焼き鯖寿司」。羽田空港の「空弁」として大ヒットしたことから、福井名物として一躍有名になりました。福井駅周辺には、食べ比べができるほど(!)各店こだわりの焼き鯖寿司が揃い踏み。手土産や駅弁としてはもちろん、ランチにもぴったりなお店を紹介します。
福井名物「焼き鯖寿司」とは?
「焼き鯖寿司」は押し寿司の一種で、焼き鯖を酢飯とともに押し固めたもの。
口に含めば、香ばしく焼き上げた鯖から溢れ出る旨味と、ほんのり甘い酢飯が絶妙にとろけ合い、大葉やガリのさっぱりとした風味も効いて…思わず唸る美味しさ。
一見シンプルに思えますが、味のアクセントになる大葉やガリといった薬味は作り手によって異なり、さらに明太子やワサビ、味噌を加えた“個性派”もあるなど、実はバラエティに富んでいるグルメです。
福井と焼き鯖の深い関係
そもそも寿司といえば生魚を使うのが一般的なのに、どうして“焼き鯖”なのか。そのルーツとしてあるのが、福井と焼き鯖の深い関係です。
福井県若狭地方は、古くは飛鳥・奈良時代から都や朝廷へ海の幸を献上する「御食国(みけつくに)」でした。若狭と京を結ぶルートは「鯖街道」と呼ばれるほど、献上品の中でも特に多かったのが鯖だったのです。(2024年7月には、御食国若狭と鯖街道が日本遺産プレミアムに全国で初めて選定)
都へ鯖が運ばれる一方、地元では豊かな食文化が育まれました。そのひとつが鯖一匹を丸ごと串に刺して焼いた「浜焼き鯖」。塩漬けの鯖が主流だった当時、すぐに食べることができると重宝されたそう。福井県では今でも半夏生の日に丸焼きにした鯖を食べる風習があるなど、焼き鯖は郷土料理として根付いています。
「冷めても美味しい焼き鯖は、寿司にも合うのでは?」。そんな発想で焼き鯖寿司が食べられるようになったのは、意外と新しく、2000年頃からでした。
愛される理由とおすすめの食べ方
焼き鯖寿司の魅力について、羽田空港の「空弁」でもおなじみ、「若廣」の専務取締役・佐野博隆さんに聞いてみました。
―焼き鯖寿司が人気になった理由とは?
- 若廣・佐野専務
- 最初は「焼いた魚を寿司にするとは邪道だ」と言われたことも…。それでも焼き鯖寿司の美味しさを知ってもらうため「とにかく食べてもらおう」と試食の機会を増やしたことで、「美味しい!初めての味!」とたくさんの方に好評いただけました。生臭さやクセがなく、しめ鯖が苦手な方や、子どもからお年寄りまで食べていただける味であることも、人気が出た理由だと思います。
―そのままでも美味しいですが、おすすめの食べ方は?
- 若廣・佐野専務
- 脂がのった鯖だからこそ、生姜醤油を合わせるとさっぱりと食べられると思います。また、特に冬場はどうしても冷え固まってしまうので、食べる前にレンジで温めるのもおすすめ。焼き鯖はジューシーに、酢飯もふんわりと仕上がり、より美味しくお召し上がりいただけます。福井の地酒やビールなど酒の肴としてもぴったりですよ!
店頭に並ぶ焼き鯖寿司は、前日夜~当日に製造されたもの。(冷凍品を除く)
店ごとに製法は少し異なりますが、「若廣」では焼き鯖と酢飯の一体感を出すために、1本1本手巻きして形を整えるなど、手間を惜しまない丁寧な手作業が焼き鯖寿司の美味しさに繋がっています。
福井駅周辺で美味しい「焼き鯖寿司」を食べ比べ!
福井駅周辺で購入できる、7店(全10種)の焼き鯖寿司をピックアップしました。
どれも地元民太鼓判の美味しさですが、ぜひ自分好みを見つけてみてくださいね。
若廣 くるふ福井駅店
焼き鯖すし 税込1,404円(8貫)
日持ち:常温で3日 具材:ガリ、大葉
めんたい焼き鯖寿し 税込1,404円(8貫)
日持ち:常温で2日 具材:ガリ、明太子
鯖街道の起点である小浜市に自社工場を構え、1本1本手巻きで仕上げる「若廣」の焼き鯖寿司。塩のみで味付けした香ばしい焼き鯖と、しっとり柔らかな県産コシヒカリの酢飯、「あくまで引き立て役に」と食感や味付けを改良したガリなど、それぞれの素材の良さが口いっぱいに広がります。「めんたい焼き鯖寿し」は、ピリリとした博多明太子がアクセント。さっぱりとした大葉とも好相性で、白ワインでその繊細な風味を楽しむのも◎。
※期間限定で、粕漬け・福井梅・味噌を合わせた焼き鯖すしも登場。販売時期は公式HPやインスタグラム@wakahiro_jpでお知らせ。
越前田村屋 くるふ福井駅店
手押し焼き鯖寿し 税込1,260円(6貫)
日持ち:常温で3日 具材:ガリ、椎茸煮
越前海岸に本社を構え、海産物を豊富に取り扱う水産会社が手がける焼き鯖寿司は、一貫が大ぶりです。脂ののった焼き鯖と酢飯に挟まるのはガリと椎茸煮。酸味と甘味がしっかり効いていて、後口をさっぱりさせつつ、ペロリと食べられます。ふんわりとした食感の酢飯は、県産米3種を独自ブレンドしているのがポイントだとか。
一乃松 くるふ福井駅店
焼鯖寿し 税込1,296円(7貫)
日持ち:常温で2~3日 具材:ガリ、白ゴマ
黄金焼鯖寿し 税込1,512円(7貫)
日持ち:常温で2~3日 具材:ガリ、白ゴマ、油揚げ
料亭プロデュースの焼き鯖寿司。醤油ベースの秘伝のタレに漬け込んでからじっくり焼き上げた鯖は、こんがり焼けた皮まで美味しく、白ゴマを混ぜ込んだ酢飯とも好相性です。油揚げ入りの「黄金焼鯖寿し」は、「油揚げの消費量全国No.1 の福井らしいものを」と、北陸新幹線開業を記念して誕生。油揚げならではの食感やじゅわっとしみ出す甘めの出汁が楽しいアクセントとなって、子どもも美味しく食べられます。
※「ごちそう一乃松 繊協ビル店」(福井駅から徒歩7分)でも購入可能
番匠 ※くるふ福井駅内「さくらむすび」で販売
おとなの焼き鯖寿し 税込1,430円(8貫)
日持ち:常温で2日 具材:わさび
永平寺ごま味噌焼き鯖寿司 税込1,430円(8貫)
日持ち:常温で2日 具材:ごま味噌
創業100年を超える福井の駅弁屋は、個性派を2種販売。「おとなの焼き鯖寿司」には、茎わさびが挟まれ、さらに酢飯にも葉わさびを混ぜ込んだ大人テイスト。ツーンと鼻を抜ける爽やかな辛みと、シャキシャキとした茎わさびの食感がやみつきになり、お酒のおともにも間違いなしです。「ごま味噌焼き鯖寿司」は、永平寺御用達の味噌に胡麻を練り合わせ、柔らかく仕上げた焼き鯖寿司に挟んでいます。口の中で優しくほどけ、風味豊かな味わいです。
日本料理 やなぎ町 ※くるふ福井駅内「おみやげ処」で販売
焼き鯖寿司 税込2,268円(8貫)
日持ち:冷凍で約6か月 具材:ガリ、大葉
福井有数の老舗日本料理店「やなぎ町」が店舗で提供している焼き鯖寿司を、料理長による作りたての味そのままに、最新の冷凍技術によって持ち帰ることができます。県産米を使ったこだわりの酢飯に、大葉とガリを敷き、肉厚の焼き鯖を重ねるように豪快に乗せた贅沢な一品で、焼き鯖から溢れ出す旨味がたまりません。食べやすさにも気を配り、4貫ずつ2パックになっています。
※店舗(福井駅から徒歩15分)でも購入可能(要予約)
基本情報
くるふ福井駅
※JR福井駅構内にあり、福井の銘菓や名品が揃うお土産売り場です。
<住所>福井県福井市中央1‐1‐25
<TEL>0776‐27‐1222(代表)
<営業時間>8:30~20:00 ※一部店舗により異なる
越前三国湊屋 ※かゞみや 福井駅前店で販売
元祖 焼き鯖寿司 税込1,404円(7貫)
日持ち:常温で5日 具材:ガリ、大葉
港町・福井県三国で、厳選された素材にこだわる食品加工会社が手がける自慢の一品。地元の醸造元と試行錯誤を重ねた合わせ酢を混ぜ込んだ酢飯は、まろやかな酸味と奥行きのある味わいで、ふっくらジューシーに焼き上げた鯖の味わいを引き出してくれます。竹皮で包まれ、手土産にも喜ばれそうなビジュアルも◎。しっかり密閉され日持ちするのも嬉しいポイントです。
基本情報
山下水産 ※福井市観光物産館 福福館で販売
焼き鯖すし 税込1,296円(6貫)
日持ち:冷凍で6か月 具材:ガリ、大葉
福井県越前町の魚屋で、職人が1本1本丁寧に手押しした焼き鯖寿司。網焼きした鯖の香ばしさが、ほどよく甘みの効いた酢飯とともに口いっぱいに広がります。酢飯の間に挟んだ大葉や、大きめのガリもアクセント。ポップで可愛いパッケージも魅力的です。出来立ての風味と食感を保ったまま、急速冷凍してあります。
基本情報
ランチで食べるならここへ行こう!
ゆっくりお店で焼き鯖寿司を味わいたい!という人におすすめの飲食店2店をピックアップ。
焼き鯖寿司をはじめ、福井ならではの料理が幅広く揃うお店なので、観光客にも人気です。
福福茶屋
焼き鯖の押し寿司(ハーフ) 税込682円
具材:ガリ、椎茸煮
魚介類やソースかつ丼など福井名物が揃う食事処にて、2024年10月に新メニューとして誕生した焼き鯖寿司。「米どころの福井だから」と、京都の老舗酢屋でオリジナル酢を特注するなどしてこだわった、やや甘めの酢飯にも注目です。アクセントに挟んだ椎茸煮とともに、香ばしい焼き鯖を引き立たせ、1貫でも食べ応えがあります。
あみだそば
焼鯖寿司セット(2貫) 料理に+460円
焼鯖寿司1本(7貫) 税込1,500円
具材:ガリ、椎茸煮
本格的な十割そばを味わえる有名店では、焼き鯖寿司も人気メニュー。丸ごと1本をシェアして味わってもよし、名物のそばと味わえるお得なセットも好評で、ランチタイムに売り切れてしまうことも多いのだとか。脂ののった焼き鯖寿司と、さっぱりとした辛みのおろしそばもまた相性抜群。福井づくしの味わいを楽しんでみて。
まとめ
一度食べたらハマる人続出。福井名物として、ぐんぐん人気を博している焼き鯖寿司。福井駅周辺だけで、こんなにもたくさんの種類と出合えるのも大きな魅力です。ぜひ福井で味わってみてくださいね。