藤野厳九郎碑(あわら市下番)

生誕地近くに建つ、魯迅の師「藤野先生」の記念碑

藤野厳九郎(1874-1945)は魯迅の小説「藤野先生」で知られる、福井県あわら市出身の医師。

中国近代文学の父と言われる魯迅は、日本留学時代に仙台医学専門学校(現東北大学医学部)において厳九郎より親切な指導を受け、後に小説にて厳九郎の思い出を記しました。


1980年(昭和55年)3月19日、有志にて「藤野厳九郎先生顕彰会」が設立され、同年5月28日、生誕地近くの下番区民館前庭に、魯迅の息子である周海嬰氏揮毫の「藤野厳九郎碑」が建立されました。除幕式には、周海嬰氏夫妻、同氏の令息 周令飛氏、藤野家関係者等が多数参列しました。


碑文には以下のように刻まれています。



碑文


 藤野厳九郎先生は明治7年7月1日坂井郡下番村(現在芦原町下番)に於て藤野家5代目医師升八郎とちくをの3男として生まれる。長じて愛知医学校に学びやがて明治34年仙台医学専門学校講師に迎えられついで教授に進む。明治37年周樹人(後の中国文豪魯迅先生)清国留学生として同校に入学し以後2ヵ年藤野先生と師弟の縁を結ぶ。後に魯迅は「藤野先生」という小品を書き自己の書斎には常に先生の写真を掲げ生涯敬仰した。先生は大正5年仙台を去って福井県へ帰りのち郷里に診療所を開き仁術を施し多くの人に崇められつつ昭和20年8月11日他界する。享年71歳。墓所は福円寺境内にある。因みに碑面の筆跡は魯迅先生の嗣子周海嬰氏の揮毫である。


昭和55年5月

芦原町



参考文献:「郷土の藤野厳九郎先生」藤野厳九郎先生顕彰会著(昭和56年)

動画

基本情報

住所
福井県福井市下番8-11-1
アクセス
えちぜん鉄道三国芦原線から徒歩13分(950m)
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